愛に目覚める時

こんなにでっかいボトルをドンッと置いていったウェイトレスさんに、なにこれ~って尋ねてみたら、みんながくすくす笑ったので、私だけなのね、知らなかったのは・・・。

メニューが書いてあるんです。

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真っ青な海を見下ろすレストランで、いつもお世話になっているお友達とお食事の約束でした。

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彼女は、本当に気がきく女性で、心の中を見抜いているかのように相手の必要を知り、でもそれをさりげなく現してくれるとても素晴らしい人です。

与えて、与えて、自分の持てるものを惜しまず与えて、まったく利得を考えないで助けてくれる、優しく愛の深い人です。

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私たちは、コンドで知り合ってとても親しいお友達になって、毎日毎日おしゃべりをして楽しんだり、時には悩みを聞きあったりしてきました。でも仕事場の人からは正しく理解されなくて、一生懸命働けば働くほどねたまれたりしている彼女がかわいそうに思えても、彼女自身は、「いいのよ。自分の任務を果たして、お客さんのが喜んでくれれば」と第一に他人を思う人です。

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今日は私がいつものお礼にご馳走するつもりが、食事の終わりかけで、仕事の電話が入ってしまいテーブルを離れた隙に彼女が払ってくれて・・・もう、お金はとってもらえない・・・

忙しいのに、美味しいチーズケーキも焼いてきてくれて、私に最高以上のもてなしをしてくれました。

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本当のお母さんに会ったことがない彼女が、こんなに人々を思い、愛して、捧げつくす姿に、ただただ涙が溢れました。

私には、こんなこと出来るだろうか・・・人に良く思われなくても忠実に正しいことをし続けることが出来るだろうか・・・自分より先に人のことを思いやることが出来るんだろうか・・・・彼女と別れてから、たくさん涙が出ました。

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人は、条件なく、捧げつくされた愛を受ける時、本当に目覚めるのです。そして本当の愛とはなんであるのか知るのです。

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こんなに美味しいチーズケーキは人生初めてでした。お世辞でも彼女が好きだからでもなく、パティシエが作るようなお味でした。そして、深い彼女の心を思うとき、それは益々おいしく、レストランの何よりもデリシャスでした。

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